【図解あり】MaaS(マース)とは何か?簡単にわかりやすく解説!

 
今回のテーマは、前回のクラウドに関する記事の応用例で紹介したMaaS(マース)についてです!
 
確か移動がすごく便利になるテクノロジーだよね?
 
はい!MaaSは次世代の交通手段になるとも言われています。そんなこの先鍵になるテクノロジーを初心者にもわかりやすく解説します。
最後まで読んで、これからの時代を先取りしましょう!

 

皆さんは、「MaaS(マース)」についてご存知ですか?
おそらく、日常生活では馴染みのない言葉だと思います。
しかし、このMaaSは「ヒトの移動の概念を変える」知っておくべきテクノロジーの1つです。

 

今回は、そんな今後注目のテクノロジーであるMaaSについて解説します。
最後には、海外の実例や日本の動向などもまとめたので最後までご覧ください。

 

※今回はクラウドに関する知識があることが前提で解説します。
「クラウドとは何か?」と聞かれて即答できない方はこちらをチェックしてからご覧ください。

MaaSとは?

MaaSとは

 

MaaS(マース)とは、Mobility as a Service の略称で、

直訳すると「移動手段としてのサービス」となります。

つまり、移動手段を提供するサービスです。

 

と言っても理解できる人はいないので、私なりに表現してみます。

ずばりMaaSとは、あらゆる交通手段の予約、移動、決済をつなぎ合わせてシームレスな(繋ぎ目のない)ヒトの移動を提供するサービスです。

 

交通手段とは、電車やバス、タクシーだけでなく、飛行機や自転車など全ての移動手段を指します。

つまり、全ての交通手段が体系的に結びついたサービスです。

また、移動だけでなく、予約、決済などの移動に関係する全てのサービスも結びついたものがMaaSになります。

MaaS:移動手段としてのサービスの略称。
あらゆる交通手段の予約、移動、決済を体系的に結びつける。

 

MaaSの仕組み

 

では、MaaSはどのようにして実現することができるのでしょうか?

冒頭でも申し上げたように、クラウドに全ての交通手段とその付随するサービスが結びつくことで実現することができます。

また、交通手段を提供する会社が協力することが前提となります。

 

サービスのイメージ図は以下の図1を参考にしてください。

MaaS(マース)とは
図1:MaaS(マース)の仕組み

 

この上の図のように、あらゆる交通手段や決済を始めとするサービスがクラウド上に管理されることで、最適な移動体験をすることができます。

 
これってGoogleマップの経路検索と何が違うの?
経路検索サービスもMaaSサービスに含まれています。
しかし、これは完成形がありません。
実は、MaaSにも自動運転と同様に、実現の段階があります。
大きく分けてレベル0~4に分かれていて、詳細は以下の図2の通りになります。
MaaS 実現度のレベル分け
図2:MaaS 実現度のレベル分け

 

日本は図1のレベル1に現在属していて、経路検索やそれに応じた金額の計算をすることができます。

しかし、レベル2に向けて実証実験が行われているそうで、もうすぐ実現される見込みだと言われています。

 

MaaSは様々な交通サービスとその周辺サービスがクラウド上で管理されることで実現
MaaS実現には4段階のレベル分けがされている

 

MaaSで変わること

MaaSで変わること

 

 
MaaSが実現されると、どのように変わるの?

MaaSが最終段階まで実現されると、私たちの生活は大きく変化すると考えられます。

「ヒトの移動」という概念が大幅に変化するからです。

 

具体的にイメージが着くように、旅行を例に解説します。

例えば、旅行で東京から沖縄に行くとしましょう。

その際の経路は以下のようになります。

  1. 自宅からタクシーで駅に
  2. 駅で電車に乗って移動開始
  3. 空港のアクセス線に乗り換え
  4. 空港に到着し、飛行機で沖縄へ
  5. 電車に乗ってホテルの最寄り駅へ移動
  6. 最寄り駅からタクシーでホテルへ

この際に皆さんはどのように移動しますか?

おそらく、経路検索をして、毎回支払いをして、移動してを繰り返すと思います。

 

もしMaaSが実現されると、支払いはアプリで一括ででき、移動の負担がかなり楽になります。

ただ経路検索にしたがって、最適な乗り物に乗り換えればいいのです。

また、あなたの経路に応じて、タクシーも最適な時間で待っていてくれます。

イメージとしては、JRで電車を乗り換える感覚で、全ての交通機関をスムーズに利用できる感じです。

 

これはあくまで一例で、レンタルサイクルなどが普及すれば、それも選択肢に含まれますし、

自動運転が進めば、タクシーもより手軽になります。

 

このように、MaaSが実現されることで、交通サービスを途切れなく利用することができます。

そのため、MaaSは「ヒトの移動」の概念を大幅に変えると言われています。

 

MaaSの実現で「ヒトの移動」の概念が大幅に変化する

 

海外の実用例:Whim(フィンランド)

MaaS 海外の実用例

 

MaaSについて理解が深まったところで、次は海外での実例を紹介します。

今回は、MaaS先進国であるフィンランドのWhimについて紹介します。

 

Whim(ウィム)は2017年11月にリリースされた世界初のMaaSアプリです。

フィンランドの首都ヘルシンキでスタートしました。

 
日本ではまだなのに、
3年前から始まってるのか…

Whimは、先程の図2のMaaSレベル3にあたるシステムで、

公共交通機関だけでなく、タクシー、レンタカー、eスクーターなどの様々な交通手段が1つになったプラットフォームです。

これらの対象のサービスに対して、「ルート検索」「予約」「決済」をWhim上で全て行うことができます。

 

そして、このWhimの魅力は料金体系にもあります。

MaaSの例:Whim料金
図3:Whimの料金体系(https://whimapp.com/plans/)

 

Whimの料金体系は2つに分かれていて、「サブスク型」「料金をその都度払うタイプ」に分かれます。

 

サブスク型は、上の図3の通りです。

月額 59.70ユーロ~499ユーロ(6,500円~60,000円)に料金は大きく分かれています。

公共交通機関はどのプランも乗り放題なのですが、その他の交通サービスによって大きく料金が変わります。

例えば、レンタカーにおいてはプランによってその都度払うものと乗り放題に分かれています。

ですので、自分の必要に応じて料金プランを選ぶことができます。

 

料金をその都度払うタイプはその名の通りです。

連携している決済サービスから、交通機関を利用すればするほど料金が引かれていきます。

普段あまり交通機関を利用しない人はこちらのプランがいいのかもしれませんね。

 

Whim(ウィム)は世界初のMaaSアプリ
様々な交通機関の「経路検索」「予約」「決済」が一体化
サブスク型の料金プランが特徴

 

日本のMaaSの動向:2020年Whim日本上陸

MaaSの動向

 

結論から言うと、2020年は日本のMaaS元年になります!

なぜなら、なんとWhimが日本に上陸するからです。(公式サイト:こちら

 

 
とうとうMaaSが日本で実現します!
このニュースを見た時、正直私はワクワクしました。
まだまだ日本では程遠いと思っていたので、本当に驚きです。

 

まずは、日本の第一拠点として、柏の葉からスタートするそうです。
理由としては、おそらく三井不動産との共同プロジェクトだからだと思います。
三井不動産は現在、柏の葉をスマートシティーにするプロジェクトを推進しています。
ここにMaaS事業が参入することで、暮らしだけでなく、移動にも焦点を当てたまちづくりを進めることができます。
そして、柏の葉でのプロジェクトの結果に応じて、首都圏や主要都市を中心に展開されるのではないのかと私は考えています。

 

2020年Whim日本初上陸!!
これを機に日本でMaaSが普及する可能性大

 

まとめ:MaaS(マース)とは

MaaSのまとめ

 

今回の内容をまとめます。

  • MaaS(マース)は移動手段としてのサービスの略称。
  • あらゆる交通サービスの「経路検索」「予約」「決済」を結びつける。
  • 2020年、Whimが日本上陸予定
  • これを機にMaaSが日本でも普及する可能性が高い

「ヒトの移動」に革新を与えるMaaS、日本にも上陸が決定しているので、今後注目ですね。

 

いかがだったでしょうか?

今後も知っておきたいテクノロジーを解説していくので、ブックマークしてお待ち下さい。

最後までご覧いただきありがとうございました。

 

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