【図解あり】ワイヤレス充電の仕組みと私たちの未来を解説します

~今回のお悩み~

 
ワイヤレス充電ってなんだろう?
どうやって動いているのかなあ。。。
今後はどんな風に進化していくのかなぁ

 

「最近話題になってきているワイヤレス充電について皆さんはきちんと理解していますか?」

実は、ワイヤレス充電の原理は非常に簡単で、高校生の知識があれば簡単に理解することができます。

 

また、ワイヤレス充電の今後の展望は意外と知られていないのですが、

私たちの生活を大きく変えてしまうポテンシャルを秘めています。

 

このワイヤレス充電の分野は過去に学会で発表した経験のある私の専門分野の1つなのですが、

研究をするにたびにこの可能性にいつも心をワクワクさせていました笑

 

そんな今後の未来のカギを握るテクノロジーであるワイヤレス充電について紹介します。

(別名:ワイヤレス給電、ワイヤレス電力伝送、無線電力伝送)

最後まで、記事を読んで、今後の社会の流れを理解しちゃいましょう!

 

ワイヤレス充電とは?

ワイヤレス充電とは

 

そもそもワイヤレス充電とは何かご存知でしょうか?

「無線電力伝送」や「ワイヤレス電力伝送」なんて呼ばれたりしていて、その名の通り、充電ケーブルをつなぐことなく充電をすることができる技術です。

 

最近はiPhoneなどの各種スマートフォンにもワイヤレス給電できるようになって注目を集めています。

俗にいう「置くだけ充電」ですね。

 

しかし、この「置くだけ充電」はワイヤレス電力伝送の応用例の一種に過ぎません。

いわば、第一形態です。

なんと構想では、最終形態になるとデバイスの充電が不要になるとも言われています!

この気になる最終形態も後ほど紹介しますので、最後までご覧ください。

 

ワイヤレス充電の仕組み

図1:ワイヤレス充電の仕組み(電磁誘導型)

 

実はこのワイヤレス充電の仕組みってすごいシンプルなんです。

いくつか方式は厳密にはありますが、今回は「電磁誘導型」に注目して解説します。(図1)

 

上の図のように、中学校(?)で習う電磁誘導の法則によって、ワイヤレス充電をすることができます。

電磁誘導は簡単に言うと、

  • コイルに磁石(磁界)を近づけると、電流が流れる。
  • コイルに電流が流れると、磁界が発生する。

というものです。

 

つまり、この2つを組み合わせて、

  1. コイルに電流を流す(給電)
  2. 磁界が発生
  3. 磁界が他方のコイルを貫く
  4. コイルに電流が流れる(受電)

というシステムを作り上げるということです。

 

実を言うと、ワイヤレス充電の方式は3つあって、「電磁誘導型」だけでなく、

「磁界共振型」「電波放射型」もあります。

少し難しくなるので2つの仕組みは簡単にまとめておきます。
(電磁気学を勉強している方は調べてみると面白いかもしれません)

 

「磁界共振型」は「電磁誘導型」と同様にコイルを送受電に使うのですが、コイルの磁界共振を利用してエネルギーを送信する伝送方式で、

「電波放射型」は電磁波に電力を乗せることで、電力を伝搬する方式です。この際、コイルを利用しても送電は可能ですが、それとは別の形状のアンテナを利用して電力伝送することが主流です。

 

ワイヤレス給電の方式は「電磁誘導型」「磁界共振型」「電波放射型」の3つ。

給電方式の特徴

ワイヤレス充電 方式
表1:ワイヤレス充電における各方式の特徴

 

では、先ほど紹介した3つの伝送方式の特徴について解説します。(表1)

 

基本的に「電磁誘導型」と「磁界共振型」はほとんど特徴が似ています。

送電可能距離は短く、基本的には送受信するものを接触させて(または、非常に近い距離で)充電を行います。

また、伝送の効率も実用的なので、現在のワイヤレス充電はこの2つが主流となっています。

 

一方で、「電波放射型」は非接触で送電をすることに適しています。

数m先まで電力を給電できるので、もし実用化されるとしたら、Wi-Fiのように部屋に一つ置くだけで全てのデバイスを同時に充電をすることができます。

しかし、伝送効率はかなり低いと言う欠点があり、未だ実用化には至っていません。

 

「電磁誘導型,磁界共振型」:ほぼ接触。実用的な給電が可能。
「電波放射型」:長距離に給電可。効率が悪いため実用化に至っていない。

 

ワイヤレス充電の実用例

ワイヤレス充電の実用例

 

皆さんもご存知かと思いますが、日常生活でワイヤレス充電が実用化されつつあります。

今回は、接触型のワイヤレス充電器について紹介します。

 

まずは、スマートフォンを始めとした電子機器の充電です。

iPhoneがワイヤレス充電に対応したことがきっかけで、ブームになってきてますね。

一応下に具体例を貼っておくので、気になる方はチェックしてみてください。

 

1つのデバイスのみを充電するのではなく、複数のデバイスを同時に充電することだってできます。

 

個人的には、この複数同時に充電することができる充電器に魅力を感じていて今後購入を検討しています。
(まずは、iPhoneの買い替えが先ですが、、、)

というのも、毎晩スマホ、エアポッド、スマートウォッチを同時に充電するために、コンセントでぐちゃぐちゃの机の上で充電する状況になっているからです。

もし、この同時に充電できるワイヤレス充電器が手に入れば、机からコードが消え去り、机がスッキリすることができます。

 

なので、携帯の契約が切れて、最新のiPhoneに買い替えたら、すぐさま購入する予定です。

 

電子機器の充電はワイヤレス充電が主流になりつつある。
同時に複数のデバイスの充電も可。

<補足> 接触型のワイヤレス充電は「電磁誘導型」または「磁界共振型」の応用です。

 

今後のワイヤレス充電の展望

 

今後のワイヤレス充電の発展は実は、、、

「激アツ」です!!

そんな大きなポテンシャルを秘めている無線給電システムの

今後の展望を以下の3つに厳選して紹介します。

  • EV車への給電
  • 医療への応用
  • 充電ケーブルのない部屋

 

①EV車への給電

EV車をワイヤレス充電
引用:https://witricity.com/

 

現在はまだ電気自動車(EV車)の普及すら完了していませんが、

このEV車の充電方法として、ワイヤレス充電の技術が使用されることが検討されています。

画像の引用元であるWiTricity社では実用化に向けて、実証実験が繰り返されています。

 

もし、実現されるなら、駐車しておくだけで車が充電されているという現在では信じられないことが起こりますね。

そうすれば、給電するのは長距離を運転するときだけになって、EV車普及の妨げになっているバッテリーの問題を解決することもできると言われています。

 

また、この給電システムを道路に埋め込むことで、運転しているだけで給電ができるようにするという動きもあるそうです。

しかし、技術的に可能であっても、コスト面でかなりの負担がかかるため、こちらはかなり先の話になりそうです……

 

ちなみに、どちらも使用される給電方式は、「磁界共振型」です。

 

② 医療への応用

ワイヤレス充電の医療への応用

 

医療分野においてもこのワイヤレス給電の技術を応用しようという動きがあります。

今回は以下の2つを紹介します。

  • カプセル型の内視鏡
  • 人工心臓のバッテリー

 

カプセル内視鏡

 

まず1つ目はカプセル内視鏡への応用です。

カプセル内視鏡は文字通り「カプセル飲み込むだけで内視鏡検査が完了する」技術です。
(詳細はこちら

 

従来の内視鏡検査では長い管を飲みこむ必要があり、苦しいイメージを持つ方も多いのではないでしょうか?

しかし、このカプセル内視鏡はなんと、薬を飲むようにカプセルを飲むだけで検査ができてしまいます。

 

このカプセル内視鏡のエネルギー源として、ワイヤレス給電が利用し、バッテリーレスにすることが検討されているそうです。

実を言うと、ワイヤレス充電なしで電池を利用してもいいのですが、以下のデメリットがあります。

  • 電力を貯めるために大きな電池が必要
  • 電池が破損したときに有害物質が体内に流れてしまう

 

ワイヤレス給電が可能になると、これらの問題が解決することができます。

「苦しくない内視鏡検査」がもっと広がるといいですね!

 

人工心臓のバッテリー

 

2つ目は人工心臓のバッテリー源としての応用です。

人工心臓を始めとした体内医療機器のエネルギー源としてもワイヤレス充電は期待されています。

 

ご存知の通り、人工心臓などの臓器を補助する医療機器が現在利用されています。

これによって、多くの方の命が救われているのですが、

バッテリー交換のための手術が定期的に必要という問題点があります。

 

もちろん、体内の医療機器にもバッテリーが必要なので電池を定期的に交換する必要があります。

しかし、この手術、体への負担がとても大きいんです……

 

もし、このバッテリーへの給電がスマホなどの電子機器のように充電できたらどうでしょう?

体への負担を大幅に軽減することができます。

例えば、週1回ペースメーカーを自分で充電するなどの方法がありますね。

 

③ 充電ケーブルがない部屋

ワイヤレス充電の未来
引用:https://energous.com/

 

3つ目は充電ケーブルのない部屋です。

ワイヤレス充電(特に電波放射型)の発展が進むことで充電という概念がなくなるといわれています。

 

とはいってもイメージがつかないと思うので、以下の動画をご覧ください。

(英語ですが、映像を見るだけでも十分理解ができると思います。)

 

現在は主に「電磁誘導型」や「磁界共振型」のみが使用されています。
しかし、動画のように「電波放射型」が実用化されると、充電という概念が180°変わってしまうのかもしれません。

 

この技術のポイントは以下の2点です。

  • 充電器のある空間にいるだけで充電ができる
  • 充電器の近くに行くとより高速に充電ができる

まだ実用化には至っていませんが、私たちの日常を一新してしまうテクノロジーです。

 

実用化に向けた課題点

ワイヤレス充電の問題点

 

このワイヤレス給電のさらなる発展への障壁はこの2つです。

  • 人体への安全性の評価
  • 各給電方式の性能の向上

 

人体への安全性の評価は無線で電磁波を飛ばすのものには切っても切れないない問題です。

5G通信で使用する高周波の電波についても議論がされていますね。

 

また、実用化する上では給電システムの性能を挙げていくことも重要です。

よく研究されているテーマだと、

  • 電磁誘導型:電力UP
  • 磁界共振型:伝送距離UP
  • 電波放射型:伝送効率UP

これらの観点で議論されていくことが多いです。

 

これらの問題がクリアされて、少しでも早く私たちの生活が便利なものとなるといいですね!
(健康被害はとても重要なので、その検討を怠らないでほしいですが、、、)

 

まとめ

 

今回は今後注目のテクノロジーとして、ワイヤレス充電について取り上げました。

まとめると、

  • 給電方式は「電磁誘導型」「磁界共振型」「電波放射型」の3つ
  • 現在は電子機器の接触型ワイヤレス充電に活用されている
  • EV給電、医療など幅広い分野への応用が可能
  • 非接触型給電が進むと「充電」の概念がひっくり返る?

 

今後も激アツな「ワイヤレス充電」の発展。

注目して生活していきましょう!